今回はビジネスにおける「本質」について解説していきたいと思います。
私は普段、メーカーでマーケティングを担当しており、そこで身に付けた「本質を見抜く能力」は、ビジネスパーソンにとって”最も重要なスキル”と言っても過言ではないと思っています。
もし読者様の中に自分の仕事に関して悩みがある方は必見です。
なぜなら、多くのビジネスパーソンに共通して言えることは、このビジネスにおける「本質」を理解すると、”世界が変わる”からです。
自営店の売上に悩んでいるオーナー様。
中々営業成績が伸びない営業マンの方。
商品の売上が伸び悩む企画開発の方。
色々な悩みがあると思いますが、「本質」を理解すれば課題解決の道筋が見えてきます。
また、ビジネスにあまり興味がない人でも面白く読んで頂けるように内容は優しく、【問題】を交えながら解説していきますので、是非ご一読ください。
目次
ビジネスにおける「本質」の示すものとは?
皆さんは「5W2H」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
物事を正確に伝える際に用いる、
「When(いつ)」
「Where(どこで)」
「Who(誰が)」
「Why(なぜ)」
「What(何を)」
「How(どのように)」
「How much(いくら)」
の7つの確認事項のことを示しています。
今回の解説ではわかりやすくすために、「Who(誰が)」、「What(何を)」、「How(どのように)」の3つの要素をピックアップしてご説明致します。
ここまでご覧になって、「はいはい聞いたことあるやつだわ」と思った方、お待ちください。
おそらくこの「5W2H」を「聞いたことがある」、「意味もわかっている」という方は多くいらっしゃると思いますが、
果たして「使いこなしている人」はどのくらいいらっしゃるでしょうか?少し【問題】を出しますので、もう少々お付き合い下さい。
【問題】
Aさんは自宅のリビングの電球が切れてしまったため、Amazonmで電球を購入し翌日付け替えた。
上文から「解決すべき問題」とそれに対する「Who」、「What」、「How」を答えなさい。
【解答】
「解決すべき問題」:「新しい電球に付け替える」ために
「Who」:「Aさん」が
「What」:「新しい電球」を
「How」:「Amazonで購入」して解決した。
、、、と回答をされた方は必ず本記事を最後まで見てください。「本質」に基づく解答は以下の通りです。
「解決すべき問題」:「普段の生活に支障をきたさない」ために
「Who」:「Aさん」が
「What」:「リビングの明かり」を
「How」:「新しい電球を購入し付け替えること」で解決した。
お分かり頂けましたか?そうです、この【問題】において重要なのは「What」が何なのか見極めること、すなわちここで言う「本質」の正体は「What」と言うことです。
この問題から、「Aさんは何を購入したでしょう?」と聞かれたら多くの人は「電球」と答えるはずです。
しかし、本質で答えるならばAさんの購入したものは「明かり」なのです。
そしてその明かりをどのように(How)実現したかと言うと、「電球で」なのです。
最初は「???」と頭に浮かんでも大丈夫です。本記事を最後まで読んでいただければ必ず納得できます。
ビジネスは「本質」を理解するのに最高の環境
おそらくどんな悩みもこの「本質」を読み解く能力を身につければ、「正しい解決策」は自然と湧いてきます。
そしてこの「本質」を読み解く能力を身につけるのにとっておきの環境が「ビジネス」なのです。
そもそもビジネスだろうが恋愛だろうが人間関係だろうが、「悩み」とは「=解決したい問題」に当たります。
「悩み」という言葉にフォーカスを当てれば「なぜ(Why)悩んでいるのか?」つまり「Why」の本質を読み解くことができれば、正しい解決策が導き出されるのです。
ここで少しハードルを下げた【問題】です。
【問題】
Aさんはお金がなくて悩んでいます。やっと出来た彼女から「来月、ドライブデートをしたい」と言われたのですが、Aさんは車を持っていないし、来月までに車を買うお金も用意出来そうにありません。
上文からAさんの「悩み」と「なぜ(Why)悩んでいるのか」を答えなさい。
【解答】
「悩み」:「お金がない」
「Why」:「来月ドライブデートだから」
問題文の冒頭に「Aさんはお金がなくて悩んでいます」とあるので、このような解答になってしまうかもしれませんが、上記の解答を文章化すると、「来月ドライブデートだからお金がない」になってしまします。
意味がわかりませんよね?つまり不正解です。では以下のようにするとどうなるでしょうか?
「悩み」:「車を買うお金が欲しい」
「Why」:「来月ドライブデートだから」
文章化すると、「来月ドライブデートだから車を買うお金が欲しい」となります。
お?いい感じですね。正解と言いたいところですが、実はこちらも不正解です。では答えは?!
「悩み」:「車を利用したい」
「Why」:「来月ドライブデートだから」
こちらを文章化すると、「来月ドライブデートだから車を利用したい」となります。細く言えば「デート期間中のみ車を利用したい」が正解です。
そうです。Aさんは「お金が欲しい」わけでも「車を所有したい」わけでもなく、「ドライブデートの時に車を利用できれば」この「悩み」は解決するのです。
「お金を手に入れれば解決する」と思っていると、「短期間に稼ぐ方法」が解決策となってしまします。
しかし「ドライブデートの時に車を利用できれば解決する」と気づけば「レンタカー」で解決してしまうのです。
そしておまけですが、「本質」を読み解く能力のある人は「彼女がなぜドライブデートをしたいと言ったのか」を考えるようになります。
仮のその答えが「実は遠方で行きたいところがあったから」であれば別に「バス」でも「電車」でも良いのです。
いかがですか?
この【問題】のようなたわいも無い内容でも、「本質」を読み解けるか否かで結論が大きく変わる可能性があるのです。
そして誤って「短期間で車が買えるほどのお金を稼ぐ」という解決策を導き出してしまうと、次は「どのように稼ぐか」が悩みになってしまって一向に解決できなくなるのです。
正しい解決策を導くためには「本質」を読み解くの能力は必須でしょう。
ビジネスでは日々「課題」や「問題」が思いがけないタイミングで発生します。
つまり「解決すべき問題発生機会」が豊富なのです。すなわち「本質」を読み解く能力が身につく最高の環境なのです。
ビジネスパーソンが身に付けたい「悩み」を解決するための思考法
今回は「本質」を読み解く最も簡易的な思考法をご紹介します。
その思考法とは「Why?」を極めることです。
最も深層にある「目的」を、ルートを変化させながら「Why?」を繰り返すことで読み解きます。
【ルート1】「早急にまとまったお金が必要」
>(Why?) 来月ドライブデートだから
>(Why?) 車を所有しておらず購入したいから
【ルート2】「早急にまとまったお金が必要」
>(Why?) 来月ドライブデートだから
>(Why?) 彼女が行きたいって言うから
>(Why?) 目的地が遠方だから
上記の【ルート1】と【ルート2】で、「目的」がより深層にあるのはどちらでしょうか?
答えは【ルート2】です。
ビジネスで悩みを抱えている人の多くが「悩みが足踏み状態」にあるはずです。
上記の【ルート1】だけで終わっていて、「稼ぐ方法」が次の悩みになっており、「足踏み状態」に陥っているのです。
「本質」とは比較的、目に写りにくく深層にあります。複雑な場合は「これが課題の本質です」と提示されても理解ができない場合もあるほどです。
この”ルートを変化させながら「Why?」を繰り返す思考法”はお手軽に出来ますので、是非現在の「悩み」に当てはめながら解決の道筋を模索してください。きっと見つかります。
最後にビジネスパーソンへ送る『マーケティング発想法』の格言
いかがでしたか?「ビジネスにあまり興味がない」、「ビジネスの世界はこれから」と言う方にもわかりやすく解説させて頂きました。
ビジネスにおける「本質」を理解することで、本当に”世界が変わります”。もし今回の記事で、少しでもご興味の湧いた方は、ぜひこちらの『本質』を読み解く思考法とは?【マーケティングスキル】もチェックしてみてください。
こちらの記事は実際の企業を具体例として、またも【問題】形式で楽しく解説しています。5分程度で読むことが可能ですよ!
それでは皆さん、ご機嫌よう。
『マーケティング発想法』の格言(1968年出版 著・Tレビット博士)
「ドリルを買う人が欲しいのは「穴」である。」