前回の記事ではビジネスにおける「本質とは何か?」そして「本質を読み解く思考法」について解説しました。
今回の記事は、実際の企業が「何を(What)提供しているか?」にフォーカスを当てて解説したいと思います。
全てのビジネスパーソンに、身に付けておいても損をさせない思考法をご紹介していきます。
例えば、「スターバックス」
さて、何を提供している企業でしょうか?
「コーヒー?」、「フラペチーノ?」、「サンドイッチ?」
いいえ、「第3の場所」です。
このように今回も「ビジネスにあまり興味がない人」でも楽しく読んで頂けるように、実例に沿った【問題】を取り入れて優しく解説していきますので、是非ご一読ください。
もし、まだ「本質」に関する記事をお読みになってない方は、こちらの「本質」を知れば世界が変わる。【ビジネスパーソン必須のスキル解説】を見て頂くと理解しやすくなります。5分程度でお読み頂けますので是非ご覧になってみて下さい。
目次
『本質』のヒント「パーパスブランド」
「パーパスブランド」とは?聞きなれない言葉だと思います。「ブランドパーパス」と言ったりもします。
そもそも「パーパス」とは?
「パーパス」(Purpose)は、日本語で一般に「目的、意図」と訳される言葉ですが、近年、経営戦略やブランディングのキーワードとして用いられる事が多く、その場合は企業や組織、個人が何のために存在するのか、すなわち「存在意義」のことを意味します。
少しわかりやすく説明すると、パーパスブランドとは「企業名や商品名を聞いて、本質的に顧客に提供される価値がわかるブランド」です。
先ほどの「スターバックス」で言えば、本質的に顧客に提供されいる価値は「第3の場所」だと言うことです。
スターバックスを訪れるお客様で、すぐにイメージできるのはこんな感じではないでしょうか?
・MacBookをカタカタするビジネスマン
・AirPodsをつけてレポートを書く大学生
・あえてテラス席で会話を楽しむ男女
などなど
正直スターバックスより美味しいコーヒーやドリンクを提供できる飲食店ってない訳じゃないですよね?なのになぜ人々はスターバックスを利用するのでしょうか?
やはり商品として売っているコーヒーやサンドイッチが「単に美味しい」だけではないと言うことです。
あの、
・足を組みたくなる背の高いカウンター席
・オシャレな壁掛けとバックミュージック
・写真を撮りたくなるような柄物のソファ
全て「クリエイティブ」な気分になれるように設計されています。
家では、学校では、職場では、クリエイティブになれないお客様が「第3の場所」として利用しているのがスターバックスなのです。
パーパスブランドは楽しく『本質』を読み解ける
ここで実際の企業名を出しますので、何が「パーパス」なのか一緒に考えてみましょう。
【問題】形式で行いますが、解答はあくまで私の意見を含む部分がございますので、あらかじめご承知おき下さい。
(※ここでは「思考法」を学んで頂きたいので、解答が正しいかどうかはあまり関係ありませんので安心して下さい。)
【問題1】ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)とは何か?
(ヒント)
テーマパークであることに間違いはないですが、これを細分化して→まとめて→言語化みよう。例えばディズニーランドであれば「夢の国」になるのかな?
【解答】
「最高の感動を届けるブランドを世界中から集めたセレクトショップ」
【解説】
こちらはあの”USJをV字回復させた立役者”である、日本トップのマーケター、森岡毅氏の著書を参考にさせて頂いています。これまで「映画の専門店」となっていたUSJを、様々なコンテンツを取り揃え、セレクトショップにしました。例えば、モンハンやワンピース、バイオハザードに目玉のハリーポッターまで多種多様です。
【問題2】イオンは何を提供している企業か?
(ヒント)
イオンも言ってしまえばセレクトショップです。無意識に「イオンに行けば良いや」と思う瞬間を体感したことはありませんか?
【解答】
「1日分のスケジュールをコーディネートできる場所(時間)」
【解説】
東京に、ディズニーランドも新宿もスカイツリーも何もなく、東京タワーしかなかったら都外からの観光客は来るでしょうか?おそらく来ません。旅行をすると決めたら、多くの人がその「1日のスケジュール」を考えるでしょう。しかし東京タワーしかなければ「1日が埋まらない」ですよね?
その考えを規模的にギュッ小さくしたのがイオンです。イオンには日用品があり、飲食店があり、ファッションショップがあり、エンタメコンテンツがあり。1日をコーディネートできるのです。「とりあえずイオン行こうか」となった事がある人も多いのではないでしょうか?特に僕と同じく家庭をお持ちのパパさん?笑
【問題3】なぜアップル(Apple)を選ぶ?
(ヒント)
これは一番簡単かもしれません。ぶっちゃけ、そのまんまです。
【解答】
「テクノロジーが使いやすく、デザインがエレガント」だから
【解説】
iPhoneより安いスマホはありますが、なぜ人々はiPhoneを選択するのでしょうか?iPhoneと言えばAppleだし、Appleと言えばスティーブ・ジョブズですが、よくジョブズは「デザイン」を重視していると聞いたことはあるかと思います。しかしそれだけではなく、「使いやすさ」にもとことん議論をしたそうです。何となくiPhoneやiPadって「直感的」に使えませんか?テクノロジーを使いやすくデザインしたのです。
『本質』を読み解く思考法はどう活用するのか?
ここまで見て何とくなく「これってマーケティングを学んでる人向けじゃない?」と思った方もいるかもしれませんが、全くそんな事ありません。
「経営」「営業」「製造」「技術」「人事」「経理」「サービス」、、、まだまだ職種はありますが、
とにかく言いたいのは”全てのビジネスパーソンが身につけて損のしない思考法”だという事です。
その中でも特に「営業」の方はこの思考法を身につけると、結果を出せる可能性が極端に高まると思います。
実績として、小さいことかもしれませんが、私は社内(メーカーです)の商品開発部のメンバー全員にAppleWatchを購入させることに成功しました。
今から、一番最初にAppleWatchを購入したAさんとの当時の会話をポイントを絞って再現します。
Aさん あ!リックさんAppleWatchじゃないですか!どんな感じですか?使いこなしてますか?
リック どうして?AさんAppleWatch欲しいの?
Aさん いや〜AppleWatchというか「腕時計」が欲しいんですよね〜。
リック そうなんだ!でもどうして「腕時計」が欲しいの?スマホがあるから「時間を見たい」って理由な訳じゃないでしょ?
Aさん そうですね、何というかやっぱり「社会人として」身につけておくべきかな〜と思いまして。
リック そっか!じゃあ僕がAppleWatchを買った理由聞いてみる?
多分「腕時計」選びの参考にはなると思うよ!
僕がAppleWacthを購入した理由はズバリ「”見た目で判断される”をポジティブワードに変換するため=ステータスを購入するため」だよ。
Aさん え?!ごめんなさい!ズバリと言われましたけど意味がわかりません!笑
リック 例えばさ、ホストにつけていて欲しい腕時計ってロレックスとかじゃない?
CASIOつけてたら何か違うよな〜って思っちゃわない?
まさに”見た目で判断”してるよね!CASIOは何も悪くないのに(笑)。
意識せずホストという役柄に対して装飾品(見た目)でステータスを測定しちゃってるんだよね!
Aさんが普段仕事で付き合いのある人はどんな人たち?
Aさん 企画という仕事柄、雰囲気でいうとクリエイティブでお洒落な人たちと会話をすることが多いですね。
リック もしAさんが企画のお仕事をご一緒させて貰えないかと先方からアプローチがあったとして、AppleWacthつけてる人とCASIOつけてる人だったら、直感的にどちらの方とお仕事しようと思う?
Aさん AppleWatchの方ですね(笑)。
リック そうなるよね(笑)。AppleWatchに限らず、Apple製品は世の中の「クリエイティブの代名詞」になっちゃてるからね。ジョブズはすごいね!
Aさんの心に響いたのか、その週末にAppleWatchを予約購入していました。
少し解説します。
Aさんは商品を企画開発しプロダクトをする仕事柄、とてもクリエイティブな自分の姿に「自己実現欲求」が働いている前提があります。
そこに「社会人として」という「周りに見られているかもしれない」という感情が加わり、「他者承認」を求める状態になりました。
それを瞬時に見抜いた僕は、「AppleWatchの”数ある”価値」の中から「クリエイティブなステータスを得られる」を選択してプレゼンしました。
Aさんが本質的に求めていたのは「第一印象のステータス」だったということです。
AさんはAppleWatchを購入することで、「第一印象のステータス」を購入したのです。
このように、本質的に求めているものは、求めている本人ですらわかっていないことがほとんどです。
僕が特に「営業の方」にオススメする思考法である理由は、ご理解頂けたでしょうか?
いかがだったでしょうか?
今回は実際の企業名も出しながら「パーパスブランド」について解説しました。具体例を参考に考えることで、「本質」を読み解くコツを習得して頂ければ幸いです。
それでは皆さん、ご機嫌よう。
ー 副業マフィア 支配人リック ー